と。

Github: https://github.com/8-u8

Sports Analyst Meetup Vol. 2に行ってきました

おじゃましました

Sports Analyst Meetupにお邪魔してきました!
昨今話題のスポーツ×データアナリティクスのMeetupで、第1回も参加表明したのですが
やはり昨今話題なだけあって枠が秒で埋まり参加できず……
今回も補欠枠となり万事休すかと思いきや、金曜に繰り上がり2秒で会場に馳せ参じました。

Connpassはここ

spoana.connpass.com

資料はこちら

spoana.connpass.com

発表

Long Talk

遺伝的アルゴリズムを用いたエンデュランス競技の最適ペース探索とアスリートへの提示方法(小山浩之/ 合同会社アヘッドスポーツエンジニアリング)

  • https://sportsengineering.co.jp

  • エンデュランス競技とは?
    ググると「馬術競技」とかメインに出てきますが、なにかに乗って走る競技のようです

  • エンデュランス競技における「最適」とは?
    人が動力源となるレースでは、「あえてペースを落としたり、休む時間を設けたりする」ことで、常に同じエネルギーを消費するよりも「速く」走れることがあるようです。
    また、人の動力源も有限なので「人が実現可能な範囲で最適なエネルギー配分を実現する」ことが重要になってくるとのことです

  • なぜペース配分が重要?
    物理的な空気抵抗、タイヤの転がり抵抗、登坂の勾配抵抗などがありますが、中でも空気抵抗が大きな抵抗となっているらしいです。つまり、空気抵抗が小さな場面で他より速いペースで進めれば「勝てる」とのことです。
    このペース配分のモデリングにCP & W-Primeと言われる疲労モデルなるモデルがあるらしいです。簡単にいうと「疲労」状態になるまでの時間と、それまでに発揮できるエネルギーの関係性のモデルです。

  • パワー(物理量)の計測
    スポーツアナリティクスで一番アツい(と思っている)部分が測定で、いろんな企業が自転車のパーツから測定できるセンサーを出しているらしいです。

  • 疲労モデルを地理データに対して適用すればいいんだよね?
    現実の地理データにおけるアップダウンは複雑で、それらを探索して最適なエネルギー配分を実現するのは困難です。ここで遺伝的アルゴリズムを活用するというわけです。
    この辺は組み合わせ最適化問題として定式化することができますが、探索空間(ベストな組み合わせを含む全パタン)を探すと非現実的ではないものの、近似解ならどうにかなりそうですよね、というモチベーションで、それを計算するための遺伝的アルゴリズムです。
    遺伝的アルゴリズムについてはググろう。 今回はペース配分をパラメタ列(遺伝子配列)、疲労レベルがそれらを変える要因としてモデル化してるとのことです。

  • 計算環境
    特に自転車レースの場合、レース会場がインターネット接続が困難であったり、電力の確保が難しいという事情があり、この問題をうまく回避する必要があるようです。そのためにクラウドを使うのは難しく、ローカル環境のGPUを活用して計算するように整備している

  • 良い走り方を知っているということ
    「良い走り方を知っている」と、アスリートのメンタルに大きく影響するとのことです。
    長距離のレースでエネルギーと疲労の配分を最適に進めることが、アスリート・アナリスト双方のコミュニケーションで重要そうです。

  • 提示の仕方
    計算結果による「最適なペース」に執着しすぎないことが重要です。
    アスリート個人の経験やスピード配分といったものも重要な要因ともなり得るようです。
    また、計算結果にはエラーが含まれるので、そういった情報を共有しながらデータを使っていくことが大事とのことです。

ブラインドサッカー日本代表チームのデータ分析サポートについて(データスタジアム 加藤健太)

  • 個人的に、スポーツアナリティクスは健常者側で進んでいるものの、パラスポーツの分野ではまだまだ途上な感じがしておりました。もっと言えば器具や工夫を活かしたスポーツは、データアナリティクスとも相性がよく、今後注目されてほしいと思っていたところでした。

  • ブラインドサッカーとは
    1チーム5人で、フットサルコートの規模で行う競技です。ゴールキーパー以外のプレーヤーは一切視覚情報がないという想像できない世界での戦いです。フォジカルコンタクトも多く、思ったよりアグレッシブなスポーツでした。

  • パラスポーツにおけるデータ分析の貢献
    日本のブラインドサッカーチームは2015年前後で戦い方を大きく変えたようです。 簡単に言えば、2015年以前は守備重視で、それ以後攻撃重視になっています。
    その中でも、データ分析では「試合のプレー分析」「強豪国のプレー分析」「大会中の選手分析・サポート」を進めています。
    ただ、コスト面の大きさを考え、競技特性を把握しながら必要なデータの把握・収集することに注力したそうで、日本の守備力、相手国の攻撃パターンのデータを収集することから始めたそうです*1
    既存のソリューション転用は難しく、Excelベースでマクロを作成したそう。

  • ブラインドサッカーで得られた発見
    ブラインドサッカーはサッカーと比べてルーズボール(ボールがどのチームの支配下にもない状態)の状態であることが非常に多く、これを定量化して、それに対応するための戦略をデータによって支援しているとのことです。
    ちなみに、ブラインドサッカーのプレイヤーにはデータに基づいた戦略や戦術方針などを背中に指で書きながら伝えているとのことです。すごい

LT(省略)

LTの資料は上記connpassに置いてあります。個人的には下記が面白かったです。

  • 大相撲優勝決定巴戦に見る不合理な分布
  • 高校セーリング部のための「データ活用ツール」制作秘話
  • 富士登山競争を定量的に評価する
  • ボール保持力・奪取力マップから見るロシアW杯2018

おわりに

絶賛インドア派の私は、今回はROM専で雰囲気や各スポーツとデータアナリティクスとのシナジーの状況などを把握することにしました。
インドア派なので、スポーツ経験は屋内スポーツがメインですが、少ないスポーツ経験と大したことないデータ分析技術を持ち寄って、
コミュニティに還元できるようにしたいですね。

*1:ブラインドサッカーにおいては、経験的に攻撃は個人の技術要因が大きく、守備は組織的な連携要因が大きいとのことです